職場高血圧・仮面高血圧の危険性
いつも有難うございます。
今朝はけっこう冷えました。青梅市の紅葉は本年は遅いようです。あと10日ぐらいでしょうか。
●私の拙いブログに写真をアップ
「青梅市 御岳渓谷 紅葉もぼちぼち見ごろ」

●こんな記事も書いてあります。
「東京都の受動喫煙防止条例、2020年春に全面的施行の件」

職場高血圧って・・。汗
職場高血圧って聞いたことありますか?
ない。
そうですか・・。
ドクターの前で測定するときは特に問題はないのですが・・。
いざ職場に設置してある血圧計で測ると、これまたびっくりの数値。おまけに心拍数も異常値。
このようなご相談を受けたことが数多くあります。最近も多いですね。
これは仮面高血圧※の一種で、仕事中のストレスなどの影響から血圧値が一気に上昇するものです。
朝の通勤時までは何でもない。会社に一歩でも入り、社内(戦場)の空気を吸うと、もうじわじわと上昇が始まります。
慢性的な睡眠不足と家庭内でのストレス加重が原因と私は考えています。
【当人も高血圧に気が付かないケースもある】
大手企業の中には社内に社員の健康管理の1つとして血圧計を設置している会社が最近多くなってきたと聞きます。
その一つの理由として・・・。
仕事中の血圧値は、平素はあまり測ることがないため見逃されることが多く、血圧が高い状態が放置され続けてしまうという事例も今まであったようです。仮面高血圧や職場高血圧は脳卒中・心筋梗塞を起こしやすいため、職場で高血圧に相当する値を示した場合は、スムーズに会社指定の顧問医師を受診するシステムでもあるわけです。
従って、私は最近は特に職場における血圧値、心拍数は割と注目視しています。
仮に会社では測定していない場合は、家庭における測定値を優先していますが、しかし、一度ぐらいは昼休み時間帯などに測定してみてください。ひょっとしてその高さにきっと驚かれると思います。平常通りであればそれで良しとします。
最終的には家庭における日々の計測。言うまでもなく、中高年の方々は自身のリズムを知ることが一般的です。これは私が言わなくとも常識化されているようです。2週間から3週間の平均血圧と平均心拍数。非常に大切なデーターです。データー保存は、あらゆるスマホのアプリが無料で存在していますので、ぜひとも利用を推奨します。
中間管理職に多い職場高血圧
部下に気をつかいながら、上司ともいろいろと話し合う立場。仕事がうまく回っている時は、良いかも知れませんが、良いことばかりではありません。むしろ悪いことの方が多いと考えた方が良いでしょう。
中間管理職って立ち位置が実に微妙なんですね。従って、職場高血圧に発症する症例も多い。
気が付くと血圧が130/105mmHg。。
下が数値が異常に高い高血圧症の疑いです。130は正常範囲なのにね。これって数値だけ見ると、末梢の血管が収縮して血流が滞っている。つまり漢方医学で言う「お血状態」であり、しかも心拍出量が少なくなっている。
【所見と考察】130/105mmHg
多分、肩こりはパンパンの状態で、心拍数も高く、疲労困憊。察するに運動不足、睡眠不足という状況です。心拍出量は上の血圧(収縮期血圧)へ、末梢血管抵抗は下の血圧への関連が大きいと考えられています。
このような、タイプは私の長年の経験から、ちょっと見で、普通の体型。体格は中肉中背で・・しかし内部は虚弱な「隠れ虚証タイプ」が意外と多いのです。例えば肥満体は実証にみえますが、実は内面的には虚証に進行中であったりすることがままありました。(あくまでも体質的な変化で)
早めに自分なりの新たなるストレス解消法を見い出して、職場高血圧を積極的に治すよう努力しましょう。私に言わせれば職場高血圧のほとんどが文字通り職場からのストレスが原因しています。
もっと遊んでください!
リズムの乱れが、日常のストレスから大いに影響を受けているとわかったら、『もっと遊んでください』とよく私はお客様にお話します。初対面で、よく『ご趣味はなんですか?』と高血圧のご相談客様に伺います。
『私は無趣味です。』と言われる方。
困ったものですね。。話はそれで終わります・・汗
つまり仕事一筋の人間ほど職場高血圧のタイプが多いものです。ストレス解消法は、全く違う空間に身を置くことからはじまります。ウォーキングを兼ねて、全く初めての土地にきて歩くのが趣味です。。という方がいらっしゃいました。もちろん目に映るのは初めての景色。車では味わえない新発見。歴史ある街並みだったらなお結構。
青梅市なんか都心からちょっと足を延ばせば良い散策路が多く有ります。JRさんもコース地図を掲載するなど熱心ですよ。
職場高血圧の改善は、休日をどのように上手に過ごすかが大きなポイントと私は思います。
今日はこれでメルマ終わろうとしたのですが、やはり最後に薬剤師のおせっかい話をしておきます。
七物降下湯(しちもつこうかとう)
※体型が太っている方(運動不足、水毒、水滞型、水太り)でもよく聞いてみると虚証タイプの、いわゆる「隠れ虚証」的なタイプの高血圧にも効きます。※40、50を過ぎて全くの運動嫌いでは困ります。これを機会に私生活の改善を促します。
本方は、昭和の漢方医学復興に尽くした大塚敬節先生の創方による処方にもとづいてつくられた方剤です。ご自身が愛用されていたようですね。
七物降下湯は、体力にあまり自信がなく、顔色もすぐれず、頭が重い、のぼせる、あるいは耳なりがしたり、肩がこったりする方の高血圧におすすめしたい漢方薬です。
七物降下湯(しちもつこうかとう)の特徴
■本方は、血虚による高血圧(あるいは血圧が変動しやすいもの)に使用します。
●血虚の肝陽化風
■顔色悪く、ストレスからの影響で血圧が上がる方に用いられます。
職場高血圧・心因性高血圧・仮面高血圧・早朝高血圧など
■七物降下湯は大塚敬節先生により考案された著名な処方です。
(高血圧で、眼底出血による視力低下に:四物湯+黄柏、釣藤鈎、黄耆などのヒントから七物降下湯は誕生しました。)
■補血作用があり、血流の改善、血圧を安定化する。
■血圧値については、最低血圧が高い高血圧に適している。
■CKDによる腎性高血圧の傾向ある方は極めてデリケートなため、大黄、柴胡などの配合剤は使用せず本方を使うと血行が良好となり良い結果を生むことが多い。
(過去のネフローゼなどから起因する蛋白尿陽性の方にも良いです。)
但し、
※CKDの症例場合、いろいろなタイプの病変のご相談を受けてきましたが、当処方の単独使用で改善した症例は非常に少ないです。軽症患者さんでしたらもちろん効果的。しかし重度のCKD患者様がご相談になられる事例がほとんど9割を超えています。(ほとんど透析の話が医師より出ている患者さんが占められます)
その大きな理由の一つとして※CKDの初期には自覚症状がほとんどないため、病院で診断を受ける頃には、相当進行しているケースがほとんど。既に血清クレアチニン、BUN、尿蛋白が高値です。
【処方構成生薬】7種類
文字通り7つの生薬から構成されます。
当帰(とうき)・川弓(せんきゅう)・芍薬(しゃくやく)・地黄(じおう)
(四物湯の処方がベースです。)血行・血流の改善
※上記処方に以下の生薬を配合した方剤が七物降下湯(しちもつこうかとう)です。
黄柏(おうばく):頭部、顔面、眼などの充血を改善(清熱燥湿)
釣藤鈎(ちょうとうこう):降圧・脳充血、頭痛、不眠の改善
黄耆(おうぎ):気虚の改善・血管拡張(補気強壮)
【七物降下湯の製剤紹介】
他方剤と比較すると割とお求めやすい価格です。
虚証で高血圧の傾向のある方に推奨しています。特に最低血圧が高くて気になる方へ。
●また、自覚症状として、肩こりや首筋の張り、頭痛などが辛い方には、生薬製剤二号方など丹参含有製剤との併用も可能です。
※七物降下湯+生薬製剤二号方
七物降下湯エキス細粒G「コタロー」