【インフルワクチン不足の怪】
その筋では「ワクチンを適切に使用すれば不足は生じない」とのコメントがあるようですが、都内の診療所やましてや市民病院までもが、まとまった数量を確保することが困難な状況で、さらに職場での集団予防接種を断る医療機関が増えているとのニュースを伺いました。
例えば、都内の公立病院、「ワクチンが品薄な状況」 「ワクチンが品薄な状況のため、大人を対象としたインフルエンザ予防接種を一時中断させていただきます」・・・という案配で。
昨年はインフルワクチンが不足傾向で、これが要因であるとは決めつけられないが、「流行拡大」となりワクチン争奪が繰り広げられたことはまだ余韻として残っている。これからインフルが拡散される時期の土壇場になり、どうしてこのように卸のワクチン品薄・欠品が起こるのか不思議に思うことがあります。私の一人よがりの老婆心であれば良いのですが・・・。
ただ、無いものをいつまでもお上に言っていても仕方なく、今後は我々も「自衛策」を講じなければならない。
基本的には毎年繰り返されるインフルワクチン接種は国の事業でもあるため、希望者は地元のかかりつけ医に早めに予約申し込みをして、今後は早期接種が望ましいと思います。
さて、12月初旬の段階でインフル集団感染は、現在私の学校環境衛生を担当している中学校において、2018年12月5日現在は発症者は皆無で、安堵しているものの、小学校では既に学級閉鎖も出ているとの情報を伺いました。年末はクリスマス時、地域差はあるものの一般的には25日に通信簿で二学期が終了する。お子さんたちを含めてご家族でのショッピングや行楽地への旅行もあり、外出時での感染も懸念される時期となるわけで、十分に健康にご留意されるようお願いしたいと思います。今までの流れで、インフルの急速な拡大は年明け早々とみています。
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【インフルへの傾向と対策】ご家庭でできること。
●「手洗い」(必ず流水で)
■外出先から帰宅時や調理の前後、食事前など流水でこまめに手を洗う。
■石けん、消毒液等で時計や指輪を外して手洗い。
●「マスク」
■市販されている不織布製マスク(使い捨て)の使用が推奨される。
■マスクを着用していても、鼻の隙間、あごの部分の露出に要注意。
■鼻と口の両方を確実に覆い、正しい方法で着用する。
●「咳エチケット」
■咳・くしゃみが出る時は、他の人にうつさないためにマスクを着用。
※市販されている不織布製マスク(使い捨て)の使用が推奨される。
■マスク無き場合、ティッシュや腕の内側等で口、鼻を押さえ、他人から顔をそむけて1m以上離れる。
■鼻汁・痰などを含んだティッシュはすぐにゴミ箱に廃棄、手のひらで咳やくしゃみを受け止めた時は即時手洗い。
『コラム』
消毒用アルコール、イソプロ、ヒビテン、ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム(ハイアミン)、イソジン、クレゾールと、買い揃えているそうで、恐れ入る。
これもインターネット情報から長じる功罪なのか?入手することは簡単かも知れないが、使い方や保存方法を間違えるととんでもないことになる。
先日は、2~20%のグルタラールやステリハイドの用い方の質問がありましたが、一般ご家庭には全く必要のない殺菌消毒薬(医療用器具に用いる)です。原液はもちろん毒性強く、刺激臭で密閉するとガスも発生する。小さなお子様のいるご家庭では放置するだけでも危険ですね。ご購入の前に、廃棄する時のことも考えましょう。例え殺菌・消毒剤に用いたとしても「毒・劇」の場合には、基本的には地区の行政が実施している「危険物回収」ではできない場合があります。この場合には、民間業者(危険物処理業者)に引き取りを依頼する形となりますので、特別の廃棄料金となります。ご注意ください。
私のインフル対応の手洗い指導方法として、水道の蛇口を開き、流水を用いて、薬用石鹸でよく洗い、そして流す。新しいタオルで両手を拭いてこれで終わり。ご家庭での消毒は、特にキッチン水回りや冷蔵庫等は、近年は「活性次亜水」(ノロクリン)という安全な消毒液もスーパーで出回っています。薬剤師的に決して完全(パーフェクト)とは言えませんが、消毒意識のモチベーション維持としては十分でしょう。ご家庭での消毒意識、手洗い、うがいの励行は、まずは大人が見本を見せるべきで、次第に子供たちへの意識の連携という流れとなります。よく学級閉鎖に関し、一方的に学校側を非難はできないもので、まずは家庭における衛生対策も併せて考慮すべきと考えるものです。
殺菌・消毒剤については・・・
病院ではないので、強い消毒剤を買い揃えたとしても、何ら意味のなさない買い物であり、かえって間違った使用方法で皮膚炎を起こすなど危険も伴うことを心得るべきでしょう。