痔と脱肛の話
本日は、「痔と脱肛の話」でまとめてみました。
「痔」のご相談は主に寒い季節に多いのですが、
「脱肛(だっこう)」となると、オールシーズンモードとなります。
痔(じ)で脱肛(ダッコウ)しちゃったようだ・・・ と、よく耳にすることがあります。
当人にしては、一大事ということで、痛みだけではなく、 精神的なストレスは相当なものでしょう。
ただ、疾患部位が
場所が場所だけに、なかなか他人には言えないものです・・・。
そこで、プロたん電話健康相談 0428-25-8682 担当薬剤師・遠藤
の回線は全国津々浦々から毎日いろいろな電話がかかってきます。
「今、排便したら、出ちゃったみたいで、困った。アドバイスが欲しい。」とか、
「便秘で、いきんでいたら・・何か飛び出たままで困ってます。汗」とか。
「引っ込める方法を教えてください。。。泣」
いろいろありますね。
最後は、人生相談みたいな雰囲気になったり、
その場合は健康相談の主旨から外れますので、早々にご容赦頂きますが・・。
会員様でしたら、現在使用中の薬剤、年齢、体質、ご住所など 状況的に有る程度は把握できて、概ねアドバイスはできるのですが、
いきなり、初めての方の電話で「何とかしてくれ、漢方で治るのか?」と言われても・・。
冷たいようですが、最寄の肛門科を受診するしかないでしょう。
それから漢方相談というものです。
【脱肛(だっこう)とは??】
■肛門や直腸の下部の粘膜が肛門外に脱出する疾患です。
従って、肛門粘膜脱(こうもんねんまくだつ)と言います。
■多くは、内痔核(ないじかく※)が進行し、肛門外に脱出するようになった 状態を言います。
※内痔核・・・俗にイボ痔といわれるもの
■脱肛は引っ込むのか?
一版的には、安静にして入浴などで患部を温め、血行を良好にして、 食事や睡眠、規則正しい生活に留意すれば、早めに引っ込むはずです。
ところが、今まで通りの生活習慣をなんら改善せず、放置すれば、 脱出部が肛門の括約筋(かつやくきん)で締められて血栓(けっせん)を形成し、腫脹(しゅちょう)して元にもどらなくなった状態に陥ります。
自身で指で触っても確認ができます。
いわゆる嵌頓痔核(かんとんじかく)の状態になると、ほとんど元には戻りません。
その場合には、将来のことをよく考慮し、外科手術も選択肢の一つとなります。
よくご質問で、「はと麦(ヨクイニン)を飲むと、脱肛した部分がポロリと取れると聞いたが、本当か?」という内容メールを何度か頂きました!?汗
嵌頓痔核は血栓による形成された粘膜組織です。イボではありませんので、 はと麦を飲んでもポロリとは取れません。
■脱肛の主な原因(多い順)
・内痔核が進行
・加齢により肛門括約筋(かつやくきん)の減退
・肛門や直腸粘膜を支えている組織の弱体化(運動不足)
・術後の障害 その他
■脱肛継続による影響
・痔核の脱出したままの状態・・痔核の嵌頓(かんとん)と言います。
・粘膜刺激により、分泌液の増加・痛み・痒み
・肛門周囲炎を併発
・悪化すると出血が継続、化膿と激しい痛み。
■脱肛への対応
・患部を清潔に保つ
・排便後は、温湯で肛門周囲を洗浄し必ず乾かす。
・プロたんでは入浴・座浴、温水シャワーなどを推奨。
◎座浴のすすめ(プロたん的志向)
http://www.protan2.com/archives/20226
・下着は通気性の良いものへ変更。
・食事は、温野菜を推奨。食物繊維を適度に摂取。(規則的な便通を確保)
・辛いもの、刺激物、アルコール、タバコを控える。
・コストゼロの物理的訓練
(意識的に括約筋を締める運動をして肛門の締まりをよくする:効果的である)
◎以下の方法を毎日5分くらい続ける。今日から実行してください。一生無料です。
・肛門を2秒ずつくらい、頻回にキュッ、キュッと 強く締め付ける運動を続ける
・肛門を、10~15秒くらい、ギュウーウッと持続して長く、 締め付ける運動を繰り返す
■漢方療法(こちらは有料です)良い漢方製剤をご紹介いたします。
◎乙字湯(おつじとう)
・スムーズな排便を促し、便通を整えます。
・血液循環をよくして患部のうっ血をとり、痔核、きれ痔などの疼痛や、出血を止める効果があります。◎千金内托散(せんきんないたくさん)
・肛門周囲の化膿を伴う皮膚炎
・痔ろう◎漢方軟膏の塗布
・紫雲膏(しうんこう)◎製剤については以下のサイトをご参考ください・
■外科的治療(病院)
症状悪化の傾向ある場合には、 医師の診断、判断により、外科的治療が優先されることがある。
・ゴム輪結紮(けっさつ)療法で粘膜脱部分を処置
・手術的に痔核切除
・レーザー術など
(経験的私見)
※病院は自宅から近いに越したことはない。
※術後の処置を考慮し、できれば入院設備のある病院を利用
※程度により日帰り術も可能の時代になった。
しかし、当初の排便、術後の消毒措置を考慮すれば、 費用はかかるが、術後はきちっと入院すべきである。
早く帰ってきても、家族に迷惑をかけるだけで、術後通院時の往復はかなりしんどいと記憶している。従って入院してある程度回復してから医師指示により退院という形が望ましいと思いました。
以上、「痔と脱肛の話」でした。
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