湿邪のこの時期は、頭痛やめまいが頻発
ここしばらくは天候も崩れる模様ですね。
既に疲労困憊のお客様も多く、体調の悪い人がとても多いと感じています。
どうぞ、睡眠と食事など十分にご留意頂き、この湿気の多い時期を乗り越えてください。
さすがにこの蒸し暑さの影響か、牛黄(ごおう)カプセルが出ています。

【湿邪が悪さをするこの時期は要注意!】
「めまい(眩暈)」とは動揺感や平衡障害を言います。
この時期は、気象病の一つとも言える頭痛や吐き気を伴う「めまい」などの漢方相談が非常に多いです。
昨日も休日明けは実店舗の漢方相談が非常に混みあいまして、そのほとんどが、頭痛(ズキズキ)や回転性めまい(グルグル)のご相談が多く、我々も驚いています。
水逆、水滞、水毒の証。皆さん顕著に出ておりました。
舌は真っ白、奥には多少なりとも「白舌苔(はくぜったい)」。口臭の訴えもあります。
その中で、漢方処方として特に出ていたのが、
●頭痛・・・・清上けん痛湯(せいじょうけんつうとう)
●酷いめまい・・・沢瀉湯(たくしゃとう)
●胃酸過多、むかつき(逆流性食道炎の傾向)・・・曖気散(あいきさん:旋覆花代赭石湯)
・・・この3処方が特筆されます。
もちろん初めてのお客様もいらっしゃるのですが、9割以上がリピーターでした。汗
この時期、当処方を支持する患者様が.いかに多いか痛感いたしました。
【この時期に特に多いめまいの種類】
■回転性めまい(ぐるぐる回る。臥位、坐位、立位でもぐるぐると)
※内耳にできた浮腫が内耳神経を圧迫するメニエール症が多い。
■立ちくらみ(急に立ち上がった時に)
■浮動性めまい(船に乗っているように足元ふわふわ)
【「めまい」の原因はさまざま】
我々薬剤師らが、店頭でのご相談の時に、「最近よくめまいを起こしてこまっているのですが・・。」と、
ご相談をお受けいたします。
めまいを起こす要因として、多くのことが考えられます。
原因を店頭で探るにはとても困難ですね。
◎西洋医学的見地からは
■内耳(末梢前庭)障害によるもの
■下肢振動覚などの深部感覚障害によるもの
■中枢神経系障害によるもの
■うつ病やパニック障害などの心理的要因によるもの
■疲労・過労・不眠・ストレスから原因されるもの
■脳外科領域に関わる疾病(脳腫瘍、脳卒中の前駆症状)
■使用薬剤(健康食品を含む)の副作用
■その他 頸椎トラブル(外科的損傷)
◎東洋医学的な見地からは
■胃内停水、水毒から起因する眩暈(めまい)
■お血の介在(血の道症)血巡り低下のめまい
など、その責任病巣の所在はさまざまです。
ただ、ここで言えることは、原因が全く不明、身に覚えのない 「めまい」は軽んじてはいけないということです。
【原因不明の「めまい」を軽んじてはいけない】
特に言うまでもなく、脳と心臓は生命維持に直結していますので、原因不明の「めまい」は、すぐ医療機関へ受診され、検査を受けて 下さい。
何もなければ、それで良しとして、まだ症状がおさまらないようでしたら、一度、最寄りの漢方薬局へご相談ください。
よく、「漢方で一発で治してくれ!」と駆け込み寺的に男性の方々がご来店されますが、苦笑
それは無理というもので、最低でも病理学的検査は必須です。
(ご年配者が多い)
例えば近隣の診療所へ行った時に、医師から大事はないと思うが、とりあえず大きな病院で脳CT、MRI等の精密検査を受けてくださいと、紹介状を発行した場合には、億劫がらずに必ず行ってください。
これを行かないがために大事に発展した症例をこの30年間、随分と見ています。
【病院検査で悲観的な病理学的疾病が発見されない場合】
さて、ご自身の頑固なる「めまい」について、脳外や神経内科検査で異常無しとされた場合、又はメニエールの疑いで薬物療法の場合・・・。
慢性疾患としてのアルコール使用障害、感覚失調性ニューロパチーなどにみられる「めまい」の場合にはその専門病院への治療となります。
以上の確認とプロセスを経て、ここで初めて漢方投薬をお考えになられても遅くはありません。
漢方療法では、当初から水毒という体内の歪(ひずみ)を原因とし、平衡感覚に支障をきたしているというとらえ方でアプローチします。
従って、根気よく漢方をお続けになれば必ず原因療法となります。
はっきり言ってこれは漢方で治る病気と私は位置付けております。
漢方が効かないと決めつける大きな理由として、1ヶ月、沢瀉湯を服用して諦めてしまう方がいかに多いか?実にもったいない話です。
水毒を改善すれば、めまいが落ち着いてくる。保温に努めればさらに効果が上がります。
空調でがんがん体を冷やしますと、余り良いことはありません。
【特に激しい回転性めまいの時には沢瀉湯(たくしゃとう)を】
みずおちあたりが痞え(つかえ)、頭にものをかぶったような頭重感。
立ち上がる時に、体がいつもより重く感じ「どっこいしょ」と。
倦怠感強く、最近はウォーキングも休みがち。立ち上がると、ぐるぐる・・。
それと、胃に振水音を有するとか胃内停水に陥った時にとても難治な「めまい」を生じることも多いのです。特に回転性のめまいを生じます。
当店では、従来からの冷え性で、非回転性のめまいには苓桂朮甘湯をよくご紹介します。
よく、病院で医療用の「苓桂朮甘湯」を処方されたが効かなかったとご来店されるお客様が多いので、よく伺いますともう1週間も飲んでいるのに全く効果無しとの訴え。
肩こりや風邪薬とは違いますので、1週間で効果判定は少々厳しいですね。
「苓桂朮甘湯」の証が合う患者には敢えて当店からは違う処方の漢方はご紹介いたしません。
このように「苓桂朮甘湯」でぴったり合う患者さんも多くいらっしゃいます。
めまい、動悸などが重なっている場合には、まずは一ヶ月。
様子を見ながらさらに一ヶ月と慎重に投薬を続けます。
さて「ぐるぐると天井が回りだす」執拗な回転性のめまいの場合はかなりの難治です。
病院の薬物治療でも、これと言った「決定打」が無いようで、メリスロン、セファドール、トラベルミンとか、さらに精神安定剤(マイナートランキライザー)とかいろいろと処方例があるようです。
近年では、医療用の五苓散エキス顆粒を処方される先生方も増えて参りました。
漢方に携わる薬剤師としては、好ましい現象と考えています。
もっとも脳外科領域では「脳浮腫には五苓散を用いる」症例がすでに常識化しているとのご意見を知人のドクターから伺い驚きました。
【沢瀉湯の処方構成】
2味・・・極めてシンプル
※使用生薬が少ないため、どちらかというと低コストです。
■沢瀉(たくしゃ)・・・寒性の利水薬
■白朮(びゃくじゅつ)・温性の利水薬
脾胃の水毒(病的な水分)が何らかの原因で動き、それをこの2味で取り除き、動揺を鎮める。
寒性・温性の相反する働きの2味から成っているため拮抗しており、大きく陰陽のどちらかへ偏ることはなく大変使いやすい。
沢瀉湯は、実は五苓散や当帰芍薬散の原方といわれています。
これで、改善率は極めて高いため、ある意味、エコな漢方と言わざるを得ない。
【小太郎漢方 沢瀉湯エキス細粒G「コタロー」の価格】
小太郎漢方の匙クラブシリーズの漢方で、 特に素材の質は抜群です。
朮はもちろん白朮を使用しています。
沢瀉湯(たくしゃとう)エキス細粒G「コタロー」は当店の人気の処方の一つです。
90包と、500gボトルの2アイテムがあります。
※服用しやすい、小太郎独特のサラサラした細粒タイプ。
90包 税込5,832円・・・30日分でこの価格はお安いです。
500g 税込17,850円・・・ボトルのバラタイプで人気あります。
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