【釣藤散(ちょうとうさん)が埋もれている・・?!】
さて、久々に「釣藤散(ちょうとうさん)」のお話です。
一元の錠剤タイプが発売された頃には、とてもよく出ていた時期もあるようですが、近年になり、その波は落ち着き、
当店ではもっぱら「痰飲」の証の方に時折ご紹介する形としている。
11味の生薬が渾然一体となった優れた漢方処方であり、名前こそ皆よく知っているようですが、この1年間を振り返るとデーター的にはあまり動かなかったというのが本音。
やはり頭痛というと「清上けん痛湯」。あくまでも適証であることが要件ですが・・。
イライラ感と不眠傾向というと、すっかり有名になってしまった・・「抑肝散加陳皮半夏(よくかんさんかちんぴはんげ)」とか・・。おいおい。。
でも、女性の方には、「逍遙散(しょうようさん)」という優れモノもあるし・・。
こちら
または、少々うつの傾向や証がそれなりに適合すると劇的に良く効果のでる「温胆湯(うんたんとう)」などもご紹介してしまう。
これも店主の実力のなさなのか・・お客様は特に「新発売」の商品に目が行くもので・・結局、釣藤散(ちょうとうさん)は二の次になってしまったかと反省しております。
【釣藤散(ちょうとうさん)の証について再考する】
基本的には動脈硬化症の改善や、穏やかな降圧効果のある「釣藤散(ちょうとうさん)」です。
ですが、ここの表題にも記載通り、当店では精神神経症状から由来する早朝から午前中にかけての頭重感、ふらつき、めまい、手足の痺れ感。
そして・・・朝の通勤時間帯にいつもの駅の昇降を辛く感じ、動悸をいつもになく自覚する時。
さらに、会社、職場に入る時間には、すっかりご機嫌斜め(ごきげんななめ)。
この状態で朝礼へと・・・。そして小爆発をするも、理性で抑えて・・さらなるストレスを生む。
あなたの会社に、このような上司が周囲にいませんか?
えっ、いるって?ご自身が上司ですか?・・・そうですか、それはまずいですね。
皆から嫌われないうちに早く漢方療法をしましょう。
【実際のところ血圧について釣藤散(ちょうとうさん)効果があるのか?】
市販されているどの漢方ブックにも「釣藤散(ちょうとうさん)」は掲載されています。それも高血圧の項目で。
当店でもこの26年間。釣藤散(ちょうとうさん)の患者さん達と一緒に歩みましたが、大変良く効いたとして喜ばれた患者さんが大勢います。
ただ、じっくりと本腰入れて根気よく継続しませんと効果がみられません。
穏やかな反面、お時間を必要とするとご記憶ください。
ここで、今までの私の経験から、例えば最高血圧160以上。下が100すれすれ・・・このような「本態性高血圧」の疑いのある方が、市販されている漢方参考書を片手に「釣藤散(ちょうとうさん)が欲しい。。」と、店頭に飛び込んでくる風景も珍しくはありません。
但し、上が190も常時ある方には、当然ながら漢方はいきなりは効いてくれません。
まずは、一旦病院へ行かれ、精査をした後に医師からまずは降圧剤。・・という形が望ましいです。
その理由を言いますと、ケースによっては二次性高血圧も最近多いのですね。
(腎障害など)この場合にはアベレージ200突破も多く、重篤な症例と言えましょう。
即、病院で受診・投薬を受けるべきであり、その後は、ある程度数値のコントロールがついて落ち着いた時点での漢方療法をと、プロたんでは推奨しております。
【血圧でよく出る漢方処方は何???】
■漢方では、実証に多い「三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)」。
■そして最近特に当店では症例が多いのですが、冷えて虚しているタイプ。
このタイプの高血圧には「七物降下湯(しちもつこうかとう)」という著名な漢方が存在します。
■さらに、本来は、体力もしっかりしていたが、加齢に応じていろいろとあり、現在では実と虚の中間タイプとでも申しましょうか。
それほど冷えていない、いわゆる見かけは「ふつ~」の人。
本来、このような証は存在しないのですが、我が国では「体力が中等度・・」という形で理論付けています。
実際にそのような方は、多数派として現代社会では多いですね。
いわゆる「半病人」、「未病」と私は思います。
このようなタイプには、「釣藤散(ちょうとうさん)」が良いと思います。
【未病とも言える境界型の高血圧に良いことは事実!】
特に血圧数値は、いわゆる境界型の高血圧だから注意するようにと、主治医から警告を受けている方。もちろん病院の投薬は受けていません。
そのようなタイプの方には「今まさに治すチャンス」でもあり、また、ある意味「分岐点」とも言えましょう。
これを機に漢方養生への取り組みを真剣にお考えになられてください。
最近は、小太郎漢方さんから服用しやすい、釣藤散(ちょうとうさん)エキス細粒G「コタロー」が発売されております。
多分、私の想像の域で恐縮ですが、これを常時置いているお店も少ないかと思いました。
漢方市場ではやはり花形の「大柴胡湯(だいさいことう)」や「柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)」などの柴胡剤を筆頭に、黄連解毒湯(おうれんげどく)や七物降下湯が巷での引き合いが「大」のようですね。
最近は、このような漢方薬もパケージ化されて大手のドラッグストアーでも販売されるようになりました。
最近、驚いたのですが、うちの近隣のドラッグでも販売されていました。
ま、当然の社会現象ですが。。汗
大手も商魂逞しいというか、時代が変わりました。
【当店での釣藤散(ちょうとうさん)の用い方】
【当店での釣藤散(ちょうとうさん)の用い方】
私は、前述した境界型高血圧症のタイプで、朝のふわふわした「めまい」。
頭重感。(水毒現象)
そして、イライラ感、憂鬱感が午前中に特に継続する方に、釣藤散(ちょうとうさん)を推奨いたします。
甚だ余談ですが・・
構成生薬の主薬となる「釣藤鈎(ちょうとうこう)」は、脳血管の血流(微小循環とも言われる)を促進させ、記憶力の改善、脳血栓の予防としても臨床学的にも認められております。
【釣藤散(ちょうとうさん)の優れた製剤】
■釣藤散(ちょうとうさん)エキス細粒G「コタロー」
金額等、詳細説明はこちらです。90包、1ヶ月で価格は驚くほどリーズナブルで、小太郎さんが設定してくれました。私もユーザーの一人として、嬉しいです。
こちら処方解説:釣藤散 (ちょうとうさん)