ここのところ、マタタビの実(虫瘤:むしこぶ)のご注文が多いと思う。
平素から人気ある商品ゆえ、さして気にもとめていませんでした。
商品管理の担当者に聞いたら「毎年のことで・・。」と言葉少ない事務的な返答が。
まぁ今の弊社は人手不足もあり、それぞれ多忙なことは理解しております。自分で調査するしかないな。汗
データーを確認してみると、ちょうど昨年の2倍近く売れているようです。だから何なんだ?と言われてもこまるのですが・・。
とにかくメディア放映(テレビ)の番組も特には無いですし、これは自然的な傾向と考えています。
出来合いの漢方製剤の全体的な売り上げは伸び悩んでいる反面、薬草の全体の需要は確かに伸びていますね。(あくまでも弊社に限っての話です)
ちょうど梅雨時期の6月から7月に径2cmほどの白い花を咲かせるマタタビの花。綺麗ですね。
薬効利用の歴史はかなり古いです。
我が国において、薬用としては、正式にいつからかは不明ですが、『本草和名』(918年)に「和多々比」(わたたひ)の名が既に掲載されている模様です。
ご存知の通り、近年、マタタビの実は塩漬け、みそ漬け、薬用酒(マタタビ酒)などにして利用されることが多いですね。
以前、長野県諏訪市の知人がマタタビ酒をご家庭用としてよく造っているのを見かけたことがありました。「疲れた時にいいよ。」と話していたのを記憶しています。
山形、新潟、富山、東北~北陸方面では「神経痛、腰痛の気になる方へ・・」との郷土品として販売されているケースも実際に目にしたこともあります。
過去の弊社社員旅行で、山形の観光地、某ドライブインの臨時的な出店に、袋詰めされた「マタタビの虫こぶ」が山積み陳列されているのを目撃したことがあります。
農家のオバチャン風の方が数人販売し、POPには太文字で大きく「リューマチに!!」と殴り書きされています。(おいおい・・汗)
観光バスから皆ぞろぞろ降りてきて、並んで買っておりました。とにかく、もんぺに麦わら帽子の姿のオバチャン。。ガッツ入ってました。「方言まじりのノリで、セールストークが最高面白い!」小生もついつい・・つられて購入してしまったのですが・・汗
私の軽率?な行動について、あとで皆(当店スタッフ)から非難されたのは言うまでもないことで。当店の方が全然安く売っているのに・・困った爺さんです。まぁいいでしょう。
家に持ち帰り、量が多いので早速マタタビ酒をつくりました。
三週間後から飲み始めました。味は五味子(ごみし)酒と「そっくりな味」で、オンザロックにしてもなかなかイケます。
それにしても、プロたんスタッフらに「当店の制服は、もんぺに麦わら帽子の姿に変更」とは言いませんが、せめてもあのオバチャンたちの「商品詳細説明に対する情熱」は見習って欲しいものだと思うものです。。
当店では現在、ウチダ和漢薬の製品で「またたびの実」(食品)という商品名で取り扱っています。
金額は、以下でご確認ください。
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【参考資料】
マタタビ虫瘤(むしこぶ)(虫えい)
猫の万病薬として知られる。
また、山形、新潟、富山、東北~北陸方面では「神経痛、腰痛の気になる方へ・・」との郷土品として販売されているケースがある。
雌雄異株のつる性落葉植物。
夏、ウメに似た純白の花を下向きにつけ花の時期に葉の先が、半分だけ白く変色する。
花の小房に小さな昆虫が産卵するとこぶ状になりこれが生薬となる。(虫えい、虫こぶと呼ばれる)
(薬草)
木天蓼(もくてんりょう):10月に果実を採集し、湯通しをして天日乾燥する。
麻酔性の香りがあり、味は辛くて酸味がある。
(摂取の目安) あくまでも目安として粉末1回1gを3回服用する。民間では、つるや葉を浴湯料として用いる。
または、1日量(目安として)を10~15グラムとして煎じて用いる。
(成分)イリドミルメシン、イソイリドミルメシン、ジヒドロネペタラクトンのほか鎮痛作用のあるアクチニジンを含む。
(栽培)多少の湿気があれば土質を選ばず、挿し木によって何時でも簡単に苗を取ることができる。
(ご注意)猫に発見されない所で栽培したほうがよい。
マタタビの語源について
『牧野新日本植物図鑑』(北隆館 1985。331ページ)によるとアイヌ語で、「マタ」は「冬」、「タムブ」は「亀の甲」の意味で、虫えいを意味するとされる。
一方で、『植物和名の研究』(深津正、八坂書房)や『分類アイヌ語辞典』(知里真志保、平凡社)によると「タムブ」は苞(つと、手土産)の意味であるとする。
ちなみにキウイフルーツもマタタビ科であり、果実を切ってみると同じような種の配列をしていることがわかる。出典:ウィキペディア
マタタビ(木天蓼(「もくてんりょう」とも読む)、Actinidia polygama )は、マタタビ科マタタビ属の落葉蔓性木本である。別名夏梅ともいう。
葉は蔓状の枝に互生し葉柄があり、形は楕円形で細かい鋸歯を持つ。6月から7月に径2cmほどの白い花を咲かせる。
雄株には雄蕊だけを持つ雄花を、両性株には雄蕊と雌蕊を持った両性花を着ける。
花弁のない雌蕊だけの雌花を着ける雌株もある。花をつける蔓の先端部の葉は、花期に白化し、送粉昆虫を誘引するサインとなっていると考えられる。
近縁のミヤママタタビでは、桃色に着色する。
日本では、北海道、本州、四国、九州に、アジアでは千島列島、朝鮮半島に分布し、山地の林縁に自生する。低位の山を散策すると割とよく見かける。
若い果実は辛いが熟すと美味しい。薬用酒(マタタビ酒)の素として果実がよく使われる。因みにキウイフルーツもマタタビ科である。
ネコ科の動物はマタタビの臭い(中性のマタタビラクトンおよび塩基性のアクチニジン)に恍惚を感じ、強い反応を示すため「ネコにマタタビ」という言葉が生まれた。
蕾にタマバエ科の昆虫が寄生して虫こぶになったものは、木天蓼(もくてんりょう)という生薬である。