沢瀉湯 (たくしゃとう)が、難治な「めまい」に人気
本日のテーマは、「めまい」です。過日はこのテーマについて会員専用のメルマに掲載しましたところ、多くの反響がありました。
「めまい(眩暈)」とは動揺感や平衡障害を言います。
【めまいの大別】
■回転性めまい(ぐるぐる回る。臥位、坐位、立位でもぐるぐると)
※内耳にできた浮腫が内耳神経を圧迫するメニエール症が多い。
■立ちくらみ(急に立ち上がった時に)
■浮動性めまい(船に乗っているように足元ふわふわ)
【「めまい」の原因はさまざま】
我々薬剤師らが、店頭でのご相談の時に、
「最近よくめまいを起こしてこまっているのですが・・。」と、ご相談をお受けいたします。
めまいを起こす要因として、多くのことが考えられます。
◎西洋医学的見地からは
■内耳(末梢前庭)障害によるもの
■下肢振動覚などの深部感覚障害によるもの
■中枢神経系障害によるもの
■うつ病やパニック障害などの心理的要因によるもの
■疲労・過労・不眠・ストレスから原因されるもの
■脳外科領域に関わる疾病(脳腫瘍、脳卒中の前駆症状)
■使用薬剤(健康食品を含む)の副作用
■その他 頸椎トラブル(外科的損傷)
◎東洋医学的な見地からは
■胃内停水、水毒から起因する眩暈(めまい)
■お血の介在(血の道症)血巡り低下のめまい
など、その責任病巣の所在はさまざまです。
ただ、ここで言えることは、原因が全く不明、身に覚えのない 「めまい」は軽んじてはいけないということです。
【原因不明の「めまい」を軽んじてはいけない】
特に言うまでもなく、脳と心臓は生命維持に直結していますので、原因不明の「めまい」は、すぐ医療機関へ受診され、検査を受けて 下さい。何もなければ、それで良しとして、まだ症状がおさまらないようでしたら、一度、最寄りの漢方薬局へご相談ください。
よく、「漢方で一発で治してくれ!」と駆け込み寺的に男性の方々がご来店されますが、それは無理というもので、最低でも病理学的検査は必須です。(ご年配者が多い)
例えば近隣の診療所へ行った時に、医師が大事はないと思うが、とりあえず大きな病院で脳CT、MRI等の精密検査を受けてくださいと、紹介状を発行した場合には、億劫がらずに必ず行ってください。
【病院検査で悲観的な病理学的疾病が発見されない場合】
さて、ご自身の頑固なる「めまい」について、脳外や神経内科検査で異常無しとされた場合、又はメニエールの疑いで薬物療法の場合・・・。
慢性疾患としてのアルコール使用障害、感覚失調性ニューロパチーなどにみられる「めまい」の場合にはその専門病院への治療となります。
以上の確認とプロセスを経て、ここで初めて漢方投薬をお考えになられても遅くはありません。
漢方療法では、当初から水毒という体内の歪(ひずみ)を原因とし、平衡感覚に支障をきたしているというとらえ方でアプローチします。
従って、根気よく漢方をお続けになれば原因療法となります。
【特に激しい回転性めまいの時には沢瀉湯(たくしゃとう)をすすめる】
みずおちあたりが痞え(つかえ)、頭にものをかぶったような頭重感。
立ち上がる時に、体がいつもより重く感じ「どっこいしょ」と。
倦怠感強く、最近はウォーキングも休みがち。立ち上がると、ぐるぐる・・。
それと、胃に振水音を有するとか胃内停水に陥った時にとても難治な「めまい」を生じることも多いのです。特に回転性のめまいを生じます。
当店では、従来からの冷え性で、非回転性のめまいには苓桂朮甘湯をよくご紹介します。よく、病院で医療用の「苓桂朮甘湯」を処方されたが効かなかったとご来店されるお客様が多いので、よく伺いますともう1週間も飲んでいるのに全く効果無しとの訴え。肩こりや風邪薬とは違いますので、1週間で効果判定は少々厳しいですね。
「苓桂朮甘湯」の証が合う患者には敢えて当店からは違う処方の漢方はご紹介いたしません。このように「苓桂朮甘湯」でぴったり合う患者さんも多くいらっしゃいます。めまい、動悸などが重なっている場合には、まずは一ヶ月。様子を見ながらさらに一ヶ月と慎重に投薬を続けます。
さて「ぐるぐると天井が回りだす」執拗な回転性のめまいの場合はかなりの難治です。病院の薬物治療でも、これと言った「決定打」が無いようで、メリスロン、セファドール、トラベルミンとか、さらに精神安定剤(マイナートランキライザー)とかいろいろと処方例があるようです。
近年では、医療用の五苓散エキス顆粒を処方される先生方も増えて参りました。漢方に携わる薬剤師としては、好ましい現象と考えています。
もっとも脳外科領域では「脳浮腫には五苓散を用いる」症例がすでに常識化しているとのご意見を知人のドクターから伺い驚きました。


今から30年以上も前のことでしょうか、私の勤務している病院の診療委員会で医療用漢方製剤のご紹介をよくいたしました。脳腫瘍や水頭症などオペ後の脳浮腫に「五苓散」、腸管イレウスの術後の薬物療法の一環として「大建中湯」と、副作用の少ない漢方を推挙したところ、「そのようなエビデンスの確立されていない漢方薬なんぞ、効くわけがないでしょう。」と脳外と消化器外科の医長らから苦笑をかったものです。
水毒傾向が顕著であり、回転性の難治な「めまい」の方、ぜひ 沢瀉湯(たくしゃとう)をお試しください。
1日 3回、きちっと服用ください。基本的には体力中等度の方が対象ですので、概ねどなたにでも服用が可能の処方です。当店では元気のない虚証の方にも処方することもあります。
(当方の経験から、1日1回~2回服用ではほとんど効果ありません)
※稀に「のぼせ」が長じての「めまい」のご相談をお受けすることもあります。主に実証の方に多いのですが、この場合には短期に黄連解毒湯を使用し、落ち着いだ時点から駆お血剤(例えば桂枝茯苓丸)に切り替えるなどしています。
※私の記憶が正しければ、医療用は確か「沢瀉湯」は無かったと思います。
この場合には五苓散で代用ということですが、但し、多くの医療用の五苓散製剤には白朮ではなく蒼朮(散寒解表)が使用されていることを予めご承知ください。(白朮は温性の駆水剤、固表止汗)

【沢瀉湯(たくしゃとう)と九味檳榔湯 (くみびんろうとう)との違い】
よく、沢瀉湯(たくしゃとう)と九味檳榔湯 (くみびんろうとう)との違いのご質問をお受けいたします。
九味檳榔湯 (くみびんろうとう)は、水毒がさらに進行し、循環器系では、動悸。呼吸器系では息切れ。 全身的なむくみで、酷い倦怠感。
さらに消化器系では腹部膨満と便通悪く、利尿もうまくなされないという重症時に用います。
従って、頑固な「回転性めまいと駆水」に特に効かせるのであれば、究極のシンプルな処方である沢瀉湯(たくしゃとう)が適方かと思います。
構成生薬の成分は沢瀉(たくしゃ)と白朮(びゃくじゅつ)のみです。
【処方構成】2味・・・極めてシンプル
※使用生薬が少ないため、どちらかというと低コストです。
■沢瀉(たくしゃ)・・・寒性の利水薬
■白朮(びゃくじゅつ)・温性の利水薬
脾胃の水毒(病的な水分)が何らかの原因で動き、それをこの2味で取り除き、動揺を鎮める。
寒性・温性の相反する働きの2味から成っているため拮抗しており、大きく陰陽のどちらかへ偏ることはなく大変使いやすい。
五苓散、当帰芍薬散の原方といわれている。
これで、改善率は極めて高いため、ある意味、エコな漢方と言わざるを得ない。
【小太郎漢方 沢瀉湯エキス細粒G「コタロー」の価格】
小太郎漢方の匙クラブシリーズの漢方で、 特に素材の質は抜群です。
朮はもちろん白朮を使用しています。
沢瀉湯(たくしゃとう)エキス細粒G「コタロー」は当店の人気の処方の一つです。
90包と、500gボトルの2アイテムがあります。
※服用しやすい、小太郎独特のサラサラした細粒タイプ。
90包 税込5,832円・・・30日分でこの価格はお安いです。
500g 税込17,850円・・・ボトルのバラタイプで人気あります。
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沢瀉湯エキス細粒G「コタロー」の概要
沢瀉湯エキス細粒G「コタロー」の概要
項目 内容
医薬品区分 一般用医薬品
薬効分類 その他の漢方製剤
承認販売名
製品名 沢瀉湯エキス細粒G「コタロー」
製品名(読み) タクシャトウエキスサイリュウGコタロー
製品の特徴
日常生活において,周囲がぐるぐる回って見えたり,ふわふわと足が地についていないような感じがするなどの症状がめまいの特徴です。
めまいは,いろいろな病気に伴って発生しますが,漢方では頭部の水分代謝がうまく働かないために起きると考えられています。
沢瀉湯エキス細粒G「コタロー」は,みぞおちあたりがつかえ,頭にものをかぶったような頭重感から,
立つことや歩くことが難しくなったり,横になって目をとじていても,グルグル回っているような激しいめまいに用いられるお薬です。
使用上の注意
■してはいけないこと
(守らないと現在の症状が悪化したり,副作用が起こりやすくなります)
次の人は服用しないでください
生後3ヵ月未満の乳児。
■相談すること
1.次の人は服用前に医師,薬剤師または登録販売者に相談してください
(1)医師の治療を受けている人。
(2)妊婦または妊娠していると思われる人。
2.1ヵ月位服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し,この文書を持って医師,薬剤師または登録販売者に相談してください
効能・効果 めまい,頭重
効能関連注意 体力に関わらず,使用できる。
用法・用量 食前または食間に服用してください。
食間とは……食後2~3時間を指します。
[年齢:1回量:1日服用回数]
大人(15歳以上):1包または1.5g:3回
15歳未満7歳以上:2/3包または1.0g:3回
7歳未満4歳以上:1/2包または0.75g:3回
4歳未満2歳以上:1/3包または0.5g:3回
2歳未満:1/4包または0.37g:3回
(大入り剤に添付のサジは,大が1.0g,小が0.1gの計量用となっております)
用法関連注意
(1)小児に服用させる場合には,保護者の指導監督のもとに服用させてください。
(2)1歳未満の乳児には,医師の診療を受けさせることを優先し,止むを得ない場合にのみ服用させてください。
成分分量 3包(4.5g)中 成分 分量 内訳
水製エキス 2g (タクシャ4.8g,ビャクジュツ2.4g)
添加物 含水二酸化ケイ素,ステアリン酸マグネシウム,トウモロコシデンプン,アメ粉
保管及び取扱い上の注意
(1)直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
(2)小児の手の届かない所に保管してください。
(3)他の容器に入れ替えないでください。
(誤用の原因になったり品質が変わることがあります)
(4)水分が付きますと,品質の劣化をまねきますので,誤って水滴を落したり,ぬれた手で触れないでください。
(5)1包を分割した残りを服用する場合には,袋の口を折り返して保管し,2日以内に服用してください。(分包剤のみ)
(6)湿気などにより薬が変質することがありますので,服用後は,ビンのフタをよくしめてください。(大入り剤のみ)
(7)使用期限を過ぎた商品は服用しないでください。
(8)ビンの「開封年月日」記入欄に,ビンを開封した日付を記入してください。(大入り剤のみ)
製造販売会社 小太郎漢方製薬(株)
添付文書情報
会社名:小太郎漢方製薬株式会社
住所:〒531-0071 大阪市北区中津2丁目5番23号
販売会社
剤形 散剤
リスク区分 第2類医薬品
小太郎漢方・匙倶楽部シリーズをご希望のお客様へ
※代表電話:0428-25-8682
※平日のみ10時~夕刻5時まで
※電話口で必ず「小太郎の、さじくらぶの問合せ。」とお話ください。
※すぐに担当薬剤師に代わります。
※緊急時薬剤師直通:090-1653-9903
なお、初回お申込みのお客様は、漢方相談の事前に会員登録を必須といたします。(必ず、現在使用中の薬剤、既往歴、アレルギー歴などご記入ください。秘密厳守いたします。)
また、メールアドレスが無いお客様も、お電話で会員登録が可能ですので、お気軽にご相談ください。
【薬剤師からのお願い事項】
当、小太郎匙倶楽部シリーズは、数ある漢方製剤の中でも、素材が極めて良質、かつ各製剤は専門性を有し、ご希望の際は薬剤師である私、遠藤か「薬のプロたん」の店長田中とご相談の上、お申込み頂く形となります。
特に初めてのお客様から「なぜネットから購入できないのか?」とのお問い合わせを日々頂きますが、このシリーズは、当店のショッピングカートを駆使した買物システムは使用できません。
例え今回「ネット販売が解禁」であっても、このシリーズだけは特別であって、前述の通りの手順を経てお渡しという形となります。また、当然ですが投薬後のアフターフォローも実施いたします。
電話で価格についての交渉をされる方も多いですが、既に販売価格はサイト上に提示しており、一切ご容赦頂いております。
なお、冷やかし半分、かつ長時間電話をされる方がいらっしゃいますが、後に控えている他のお客様へのご迷惑となりますので、問答無用で断りしております。
自身の慢性的な疾病と向き合い、優良な漢方製剤で真剣にQOLを少しでも改善したいとお考えになるお客様のみ、お渡しできる漢方とご理解ください。
