高血圧と漢方療法
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来春変更される高血圧の治療ガイドライン(改訂)はどうなるか?
高血圧の治療ガイドライン(改訂)がいよいよ来年2019年春にに発表される予定のようです。どのように改訂されるのか、とても気になりますね。極端な変更は無いと思いますが、どうでしょうか?事前公開は無しということで極めて慎重です。医療の混乱は起きないと思いますが、それとも・・いや、よしましょう。『また、青梅の爺さん変なこと言って・・。』とも言われかねない。
このガイドラインについては、今までも某学会の発表や、メディア(テレビ放映)でも説明されていました。いろいろなご意見があるようですね。ガイドラインは時代とともに改訂されることに意義あるわけで、医療の発展にも連携する極めて大切な事項です。
現状では、
①高血圧の基準値は140/90mmHg以上で
②この値を超えた血圧値であれば医療機関の受診が勧められること。
・・・という形で固定化しているようです。
なお、この件については、「特定非営利活動法人 日本高血圧学会 2019年発表予定の高血圧治療ガイドライン作成状況と高血圧治療の考え方についてのお知らせ」に記載されています。
極めて難しい問題かも知れませんが、むしろガイドラインの発表後に臨床における医療現場のご意見など、小生も定期的に最低でも1ヶ月2回通院している患者であり、生(なま)の声を実際に聞いてみたいと思っています。
現在の日本の高血圧症患者数の動向
現在、我が国の高血圧患者さんはとうに4000万人をクリアし、4300万人。まさに驚異的な数値であることは言うまでもありません。海外におけるガイドラインも2017年アメリカ、2018年は欧州とそれぞれ改訂されました。
日本における高血圧症の方の治療率や血圧コントロール率は、いずれも5割程度と低いと言われているのが現状です。年々高血圧は増加の傾向にあり、遺伝的な由来(本態性高血圧症)も実際に多いです。しかし、戦後の食生活の飛躍的な変革により、食品の欧米化も加速して、動脈硬化症の増加。この影響による高血圧症が極めて大であると私は考えます。高血圧治療の基本は平素の食事と運動、肥満防止と適度な睡眠がいかに重要か申すまでもないでしょう。
ご家庭における血圧測定について
※家庭血圧測定条件設定の指針より(日本高血圧学会)
【重要】血圧の測定方法 抜粋
●測定部位:上腕が推奨。手首、指血圧計の使用は避ける。
●朝の場合は、起床後1時間以内、排尿後、服薬前、朝食前の安静時、座位1~2分後に測定。
●夜の場合は就床前の安静時、座位1~2分後に測定。
●朝夜の、任意の期間の平均値と標準偏差によって評価。
ご家庭における血圧の測定について
申し訳ない言い方ですが、人によっては結構適当に測定されている方が多く、店頭でお話申し上げることが多いです。
1日2回、起床後と就寝前(あらかじめ寝室に置いておきましょう)自身の血圧管理はノートに記録することから始まります。できれば1日の習慣としましょう。
測定機器については、当店では一番ノーマルな腕帯式を推奨しています。最近は需要が増したとは言え、手首式やカフとの一体型とか便利のようですが、いかがでしょうか?私個人の意見としては、仕事の関係でほとんど全ては実際に経験して試してきましたが、やはり従来からの腕帯式で落ち着いています。
メーカーや機種は問いません、型番も問いません。敢て言うならば、電池式オンリーではなく、交流電源のアダプター接続も可能なタイプがランニングコスト的に有利であると思いました。くどいようですが、やはり旧来から使用されてきた腕帯式が測定時に多少面倒かも知れませんが、私はこれを強く推奨しております。
直近の拙いエピソード
ちなみに、私は69歳、平素の血圧は120/72と安定しています。それが今年の8月~9月で165/100を突破し、高い時には200台。担当医を驚かせました。この時にはさすがにまともに歩行できませんでした。とりあえず短期入院。その後はなんとか仕事場に出勤しております。現在ももちろんストレスと疲労は日々ありますが、当月になり平均135/79に下がりました。もちろん病院の降圧剤は服用せず、漢方薬のみで凌いでます。精神的な疲労と、肉体的な疲労が一気に負荷がかかりますと、やはり危険ですね。現在では出張は自粛しています。とても昔のように飛び回ることはできません。地方出張をしてもホテルにいそいそと戻り、報告書や書類をまとめるともう9時頃から眠くなる。随分とやわになったものだと愕然としますね。そのような訳で、平素はなるべくゆっくりと歩くように心がけております。血圧管理は決して無視できない健康のバロメーターと言えるでしょう。
当店における高血圧の漢方療法について
※あくまでも一例です。個々の体質により用いる方剤は異なります。
頻繁に良く用いる漢方として
●第一に、丹参(たんじん)製剤が挙げられます。
※製剤例
■生薬製剤二号方(にごうほう)

■環元清血飲(かんげんせいけついん)

●第二に、お血(血の滞り)を改善する駆お血剤を併用します。
※製剤例
■桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)(筆頭)

■桂苓加大黄丸(けいれいかだいおうがん)※便秘もある時に

■駆お血丸(くおけつがん)※便秘、上衝もある時に

●第三に、水毒(体の中の不要な水分偏在)の改善、駆水剤
※製剤例
■五味利水(ごみりすい)

■腎臓仙(じんぞうせん)

●臨時として牛黄製剤を推奨しています。
※製剤例
■牛黄製剤の各種

※近年では、牛黄は自律神経の乱れなどにも応用しています。これは循環器系と関係無いように思えますが実は「有り」なんですね。精神面でストレス過重になると血圧は一過性に上昇いたします。特に近年は奔豚気(気が動転し上衝、パニック発作)にも利用している症例が増えました。
牛黄カプセル、極み、牛龍黄などが個人の証に合わせて推奨しています。
基本的には即効性ですが、血圧に関しては確実に下げますが、非常に穏やかで安全です。