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パニック障害と漢方薬(リニューアルver.2016年版)

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パニック障害と漢方薬
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■パニック障害と漢方■

最近、特に心療内科領域で話題になるのが、パニック障害です。
そのような「病名」は診療する側に都合の良いように命名されたとお思いですか?
実は、れっきとした病名です。

パニック障害
Panic disorder
PDとは、定期的なパニック発作に特徴付けられる不安障害の一種です。
パニック障害は、強い不安感を主な症状とする精神疾患のひとつとして、不安神経症と呼ばれていた疾患の一部です。
かつては全般性不安障害とともに不安神経症と呼ばれていましたが、1992年には世界保健機関(WHO)の国際疾病分類によって独立した病名として登録されました。

特に、イマジネーションが豊かで感受性の高い方に多いですね。
男女区別はありません。当店では芸術派志向のお客様に多いと思いました。
例えば、地下街、ショッピングモール、混み合った地下鉄、高層ビル、急行電車、白熱した会議、群衆の中での試合観戦などの環境に置かれた場合・・・
脳が幻の危機を感じてパニック状態が起こる病気です。

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例えば、顧客様も・・・
大都会、高速道路の大渋滞、今、災害が起きたら・・・。
少なからずも「不安」をご経験をされているかも知れません。
パニック障害は、その「不安観念」が強くかつ断続的に起こる疾病です。
パニック障害の症状には個人差はありますが、共通して言えることは、心拍、呼吸数上昇、発汗、胃痛、頭痛、めまい等です。
かなり激しく症状が出ますが、直接的に生命への危険性はありません。

しかし、これが慢性化してくると、環境への恐怖による回避、周囲との順応に支障をきたす心理状態に陥ります。
お仕事を持たれ、繁忙の時期になればなおさらのこと、業務内容や同僚とのチームワークへの影響も考えねばなりません。
さらに大切なこと、ご家族の「相互理解」が必要なことは言うまでもありません。
家族のリーダー、又は一員としての責任はもちろんあります。しかし決して無理をしてはいけません。
当人のプライドもありますが、決して恥ずべきことではなく、誰でも人生の中で少なからず1度や2度は体験することですので、互いによく話し合い理解し合う「場」が必要と思います。

ところが、独身族の場合。かなり進行している症例に出遭うことが多いと思います。
環境的には故郷を離れ、都会で単身働かれているヤングの方。又は家族と離れ、長期の単身赴任で勤務地を転々とされている管理職の方など、友人や同僚にも相談できず悶々とした日々を送られ、当店を訪問されるケースが多いと思います。

【対応する漢方処方】

一般的な不安神経症に用いられる「半夏厚朴湯」の継続投薬でかなりの改善を得られるものの、症状そのものがが強いため、どうしても当人としては端的な効果?としての実感が湧いてこないようです。
すると漢方は効かない?というマイナス観念も災いすることもありますね。

当店ではパニック障害でご相談された場合、その方の体質的なご質問をはじめ、既往歴、現在までの薬歴などを元に、処方を決定いたします。以前に病院で「パニック障害」と診断を下され、投薬歴がある方がほとんどですが、既に数ヶ月、いや数年を経過している事例も少なくなく、その症状も既に複雑化しているのが現状のようです。
従って単一的な処方ではなかなか対応できない部分もありますが、当初は後述するようにまずは一剤で投薬計画を進めて参ります。(ただし、便秘が強い場合、症状が極めて強い場合には併用薬剤が発生します。)

最近、多い初回投薬例としては、以下の処方が挙げられます。

■ 柴胡疎肝湯(さいこそかんとう)
※製剤は小太郎、松浦から発売されています。
※気の滞りを改善する代表処方である四逆散に川きゅう(せんきゅう)、青皮及び香附子を加え、気を巡らす働きが更に強化されています。肝気鬱結に用いる代表的な処方ですね。

■ 苓桂甘棗湯(りょうけいかんそうとう)
※小太郎から発売されています。
※精神不安のためヘソのあたりに動悸を感じ、それが時々胸中に突き上げてきたり、お腹がはり、胸やノドが塞がって苦しくなる。このような突発的な発作が過ぎてしまうと、何もなかったように普通の状態に戻る。つまり自律神経がバランスを崩して、このようなとりとめのない精神的なトラブルに襲われた時に服用していただく処方です。

■茯苓飲合半夏厚朴湯(ぶくりょういんごうはんげこうぼくとう)
※あきらかに「半夏厚朴湯」の証の方であれば、つまり、性格的に几帳面で平素から不安症の方。周囲に気をつかうため、周りからは喜ばれますが、ご本人はクタクタになり、自己破壊のタイプ。

※製剤については、医療用漢方製剤にて存在いたします。近医に通われているお客様でしたら、担当医にご相談されるのが宜しいと思います。そうではなく、当店の製剤で試したいというお客様の場合、残念ながら一般用としてこの処方は私が知る限りではありません。そこで以下の漢方錠剤タイプ2種で対応しています。都合が良い事に、錠剤で服用量の調整が可能です。

茯苓飲
半夏厚朴湯

※製剤のメーカーは一元製薬です。
※上記、2つを同時にお求めになられ、具体的には3錠ずつ、1日3回、食前又は食間に服用いたします。
又は茯苓飲を3錠、半夏厚朴湯を5錠で。

◎もともと茯苓飲は駆水剤そのものなのですが、半夏厚朴湯との合剤により、胃のすっきり感、頭痛、めまい感の改善など
併せもつさらなる優秀処方です。相乗効果と言えましょう。例えば服用している患者の声として、胃腸がすっきりする感じ。胸の痞え感がとれた。半夏厚朴湯は前から飲んでいたが、茯苓飲を3錠追加しただけで全然前よりも効いてきた。。との感想を頂いています。

さて最後になって恐縮ですが、実は以下の製剤ウチダのNP34番(エキス細粒剤)が近年当店舗におけるパニック障害やそれに類似する症例への主流の対応製剤として近年なりつつあります。
原典処方は柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)です。

平素お話をしている略称:ウチダの34番。。という製品です。

ウチダNP34番 竜化順清(りゅうかじゅんせい)エキス細粒

原典処方:柴胡加竜骨牡蠣湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

※これはかなりパニック障害が慢性化されてお悩みの方におすすめしています。
通院されて何年も向精神薬を続けているが、今、ひとつ効果がみられない。
むしろ病院の神経用剤の長期投薬の副作用をも心配されている。などのパターンです。
症状としては、上記延べてきた症状に、心身的過労、不眠、血圧上昇下降を繰り返す傾向などが加わっているケースです。

※竜化順清(りゅうかじゅんせい)エキス細粒300包(ウチダNP34番)の原典処方は著名な柴胡加竜骨牡蛎湯から由来しています。各漢方メーカーの漢方処方シリーズの中では、必ずと言っても良いほど繁用の方剤として君臨していますが、26 間私の数多くの接客経験から、一番のリピート率の高い製品がウチダNP34番竜化順清エキス細粒です。特にウチダ和漢薬だけをひいきにするつもりは毛頭ありませんが、とにかくお客様方の支持が強いですね。

※当店では、柴胡加竜骨牡蠣湯の処方は、他に松浦、三和生薬、一元製薬、剤衰堂などのメーカーのも取り扱っています。

【まとめ】

パニック障害は性格的なものからも起因するが、必ず漢方で改善いたします。
繊細、かつインテリな方ほどなりやすい疾病と言われています。
漢方による穏やかな周辺症状や焦燥観念が緩和されるだけでも随分と当人が苦しい状況から開放されます。

根気よく漢方をお続けになれば光明が見える。諦めないで頂きたい。

以上、パニック障害の漢方事例を一部ご紹介いたしましたが、その症状は個々に違い、また年を追って証にも変化があります。当処方に限局することなく、他に多くの漢方がこのパニック障害に対応できるはずです。
あくまでも、プロたん的な事例としてご理解を頂けますと幸いです。

(2016年4月21日 加筆修正 小宮山)

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2011年9月15日 初稿
2014年7月12日 更新
2014年12月6日 更新

2016年4月21日 更新

文責:薬のプロたん
住所:東京都青梅市長淵5-543
有限会社プロドラッグ
お客様漢方相談室
受付時間:月~金曜日 10:00~17:00(祝日を除く)
電話:0428-25-8682


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