生脈散(しょうみゃくさん)エキス細粒G「コタロー」
小太郎漢方製薬から2017年10月末に生脈散(しょうみゃくさん)エキス細粒G「コタロー」が発売されました。
製品の規格は60包と500gボトル(バラ)の2種類となります。
正直申して生脈散の突然の発売には驚きました。。最近の世の中いろいろなことが起きる。
私のような固い頭の老獪薬剤師にとっては、各メーカーさんのめまぐるしい発売ラッシュで息切れしてます。
それにしても小太郎さんの開発力にはなかなかついていけません。。凄すぎます。汗
また、今回分包タイプ(60包)の箱デザインが、ダークグリーンに黄色いラベルで目立つんですねぇ。
従来からの生脈宝はライトブルーということで、個人的な好みから言うと生脈宝のデザインが好きなのですが、要は中味と効き目ということで、解説をすすめさせて頂きます。
これらは、第3類医薬品です。
【二つの製剤への選択肢は?】
原典「生脈散」を由来とした製剤は、すでに、ウチダ・松浦の「生脈宝(しょうみゃくほう)」が発売されております。
そこで今回、後発ではありますが小太郎漢方製薬から満を持して発売されたのが「生脈散エキス細粒G「コタロー」」となり、お客様からの選択肢がここで1つ増えたことになります。
双方ともに優良素材を用いた漢方製剤ですので、優劣つかず迷うかも知れませんが、以下の解説をお読み頂き、ご参考ください。
いずれにしても、「生脈宝・生脈散」そのものは夏バテのみならず、現在では冬の疲労や感冒時の消耗疾患にも用いられ、オールシーズン使用できる漢方処方として主薬にしても、あるいはプラスワンもできる便利処方として応用ができると思います。
小太郎の60包タイプ(30日分)は、売価もお求めやすい価格に設定されている模様です。あくまでもお客様次第ですが、従来からのウチダ・松浦の生脈宝のユーザー様も一度は検討される価値がある注目の商品かも知れませんね。
その内容について、以下もう少し掘り下げてみましょう。
【従来からの生脈宝(しょうみゃくほう)と今回の生脈散(しょうみゃくさん)について】
類似製品として、当店会員様もよくご周知のようにウチダ和漢薬及び松浦漢方の「生脈宝(しょうみゃくほう)エキス細粒A」が既に2年前の夏に旧製品に代わってリニューアル新発売され、大変好評の模様です。
ウチダ・松浦の「生脈宝(しょうみゃくほう)エキス細粒A」は、構成生薬が、人参・麦門冬・五味子・黄耆の4味でしたが、今回の小太郎から発売された生脈散(しょうみゃくさん)エキス細粒G「コタロー」は人参・麦門冬・五味子の3味で、製品名「生脈散」の通り、より原典の構成生薬と配分等に準拠する形となっております。
また、1回服用量が(1包1.5g)と少なく、さらに1日2回処方という多忙な人や中高年の方にも優しい、服薬コンプライアンスの良い製剤と言えるでしょう。
剤形は小太郎が開発した匙倶楽部シリーズ独特の細粒は、ザラツキ感が 少なくて飲みやすい製剤として患者様からも好評です。
なお、製剤における添加物については乳糖不使用のため、乳糖不耐症の方にも使用できるのも大きな特徴と言えます。
【原典 生脈散(しょうみゃくさん)とは?】
そもそも生脈散(しょうみゃくさん)とは『医学啓源』に収載されている生脈散を基本とし、
体質改善・疲労倦怠の改善などを中心に滋養強壮を目的とした著名な漢方処方です。
からだに必要な水分を「津液」といいます。からだに「気」と「津液」が不足するとうるおいがなくなり、様々な次のような症状が現れます。
発汗や肉体・精神的疲労など(気陰の消耗)に伴う倦怠感、口渇、寝汗、手掌・足底・胸部の熱感、焦燥感、息切れ、午後に熱感などを訴える病態。
従って、「生脈散」は主に心肺の気と津液を補う目的で用いられる漢方処方です。
【処方名の由来】
生脈散という処方名には、わたしたちの体の生命活動に関わる働きを押し進めると同時に、
脈中の津液を増やして脈を回復させるという意味が込められています。
【特徴】
●生脈散は倦怠無力感、息切れ、多汗、熱感、喉(口)が渇く、乾咳など、元気が無い人に使われます。
また、手術後や夏バテなどによって減退した体力の 回復にも用いられます。
●咳にも効果的であるとされており、肺の気陰両虚により発症する咳嗽で、疲労時の咳嗽、熱病後の咳嗽、慢性の咳嗽で、長期に治らない咳嗽、慢性 気管支炎などにも用いられることがあります。
●3つの生薬が、「補肺」「清肺」「斂肺」という3つの方面から働きかけて肺の機能を強化します。
肺が全身の「気」をつかさどるとされ ているので、肺の機能が強くなると全身の「気」が強くなる といわれています。
【効能・効果】 次の場合の滋養強壮:虚弱体質、 肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期
人参は気を補い、麦門冬は陰液の補充をする。
五味子は収斂作用で汗を止めるので、陰液が体外へ流出するのを防ぐ。
これらの構成で、気陰両虚に対応する。
【処方構成と効能】3味
●ニンジン 補気健脾
●バクモンドウ 潤燥生津
●ゴミシ 収斂
【製品のご紹介】
以下、小太郎漢方の生脈散(しょうみゃくさん)エキス細粒G「コタロー」のご紹介です。
第3類医薬品となります。
■生脈散(しょうみゃくさん)エキス細粒G「コタロー」 60包(30日分)
税込9,072円
■生脈散(しょうみゃくさん)エキス細粒G「コタロー」 500gボトル (約166日分)
税込41,040円
商品詳細につきましては以下をご覧ください。
生脈散(しょうみゃくさん)エキス細粒G「コタロー」
生脈散という処方名は、体内エネルギーや体に必要な水分の消耗を防ぎ、
弱くなった脈を回復するという働きを表しています。
この処方は、大量の発汗後や肉体疲労時や消耗性疾患による全身の機能低下を改善します。
滋養壮作用があり、普段から顔色悪く、胃腸も丈夫でなく、冷え症の方に用いられるお薬です。
生脈散エキス細粒G「コタロー」は、虚弱体質や肉体疲労、病中病後の体力の回復、
胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期などに、滋養強壮の効果があります。
使用上の注意
相談すること
1.次の人は服用前に医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
①医師の治療を受けている人。
②妊婦または妊娠していると思われる人。
③今までに薬などにより発疹・発赤、かゆみ等を起こしたことがある人。
2.服用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性がありますので、
直ちに服用を中止し、この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
関係部位 症状
皮膚 発疹・発赤、かゆみ
消化器 食欲不振、胃部不快感、下痢
3.しばらく服用しても症状がよくならない場合は服用を中止し、
この文書を持って医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
4.長期連用する場合には、医師、薬剤師または登録販売者に相談してください。
【効能・効果】
次の場合の滋養強壮:虚弱体質、肉体疲労、病中病後、胃腸虚弱、食欲不振、血色不良、冷え症、発育期
【用法・用量】
食前または食間に服用してください。
食間とは・・・食後2〜3時間を指します。
年 齢 1回量 1日服用回数
成人(15歳以上) 1包 または1.5g 2回
15歳未満8歳以上 1/2包 または0.75g
8歳未満 服用しないでください
(大入り剤に添付のサジは、すり切り一杯で約0.6gです)
【成分・分量】
本剤2包(3.0g)中
ニンジンエキス 0.7g(原生薬3.0g)
バクモンドウエキス 0.9g(原生薬2.0g)
ゴミシエキス 0.4g(原生薬1.1g)
添加物として含水二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、トウモロコ シデンプンを含有しています。
【保管及び取扱い上の注意】
①直射日光の当たらない湿気の少ない涼しい所に保管してください。
②小児の手の届かない所に保管してください。
③他の容器に入れ替えないでください。
(誤用の原因になったり品質が変わることがあります)
④水分が付きますと、品質の劣化をまねきますので、誤っ て水滴を落したり、ぬれた手で触れないでください。
⑤1包を分割した残りを服用する場合には、袋の口を折り 返して保管し、2日以内に服用してください。(分包剤のみ)
⑥湿気などにより薬が変質することがありますので、服用後は、ビンのフタをよくしめてください。(大入り剤のみ)
⑦使用期限を過ぎた商品は服用しないでください。
⑧ビンの「開封年月日」記入欄に、ビンを開封した日付を記入してください。(大入り剤のみ)
※本剤は生薬を原料としていますので、商品により多少色が異なることがありますが、品質・効果に変わりはありません。
製造販売会社 小太郎漢方製薬(株)
会社名:小太郎漢方製薬株式会社
住所:〒531-0071 大阪市北区中津2丁目5番23号
販売会社
剤形 散剤
リスク区分 第2類医薬品