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動脈硬化症と漢方(腹部大動脈瘤の破裂とステントグラフトの話)

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動脈硬化症と漢方(腹部大動脈瘤の破裂とステントグラフトの話)

本日のテーマは「動脈硬化」です。

一口に動脈硬化と申しても目に見える疾病ではないため、皆さんピンとこないと思います。

動脈硬化
心臓から全身に血液を送り込む役割を担う動脈の内壁が肥厚し硬化した状態を指して動脈硬化と呼称する。
動脈硬化には、アテローム性動脈硬化(粥状動脈硬化)、細動脈硬化、中膜石灰化硬化(メンケベルグ硬化)の3つのタイプが存在するが、一般に「動脈硬化」といえばアテローム性動脈硬化を指すことが多い。
アテローム性動脈硬化は、脂質異常症(旧・高脂血症)や糖尿病、高血圧、喫煙、運動不足などの危険因子により生じると考えられ、最終的には動脈の血流が遮断されて、酸素や栄養が重要組織に到達できなくなる結果、脳梗塞や心筋梗塞などを引き起こす原因となる。

動脈硬化とは文字通り、「血管が固くなり、柔軟性を失う」ということであり、これが進行すると血管壁がモロくなり、大きな瘤(こぶ)を形成することもあります。

動脈瘤

動脈硬化や外傷性のものが考えられる。炎症や遺伝性のものも考えられる。
動脈瘤自体を圧迫することによって痛みを感じるが、一般的には無症状。
しかし、動脈瘤が破裂すると、意識が飛ぶほどの激痛に襲われ、死亡するケースも多い。クモ膜下出血の原因としては脳動脈瘤の破裂が最も多い。

※これは稀な症状できなく、日々の口に入れる食物からの影響で、加齢に応じて瘤(こぶ)の形成頻度は確実に高まります。

特に、過剰なる脂肪系の食べ物、濃い食事、アルコール、喫煙などの永続的な繰り返しで、形成されやすいことも近年わかってきました。

従って、私が申すまでもなく、日々の食事への配慮は大切ですね。

つまり、この瘤(こぶ)の形成は一日にして成らず、長期にかけて有害事象の繰り返しで形成されることを敢えて申し上げておきます。。

【大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)とは?】

大動脈は、心臓から全身に血液を送り出す重要な血管です。

心臓から身体の中心部を通り腹部まで伸び、そこから両肢に向かって左右の動脈に枝分かれしている。

加齢に応じて動脈硬化等によって血管の壁が弱くなると、大動脈は膨らみ始め、瘤(こぶ)のようになることがあります。

これを大動脈瘤(だいどうみゃくりゅう)と言います。

【主な大動脈瘤の種類】

胸部にできたものを胸部大動脈瘤、腹部にできたものを腹部大動脈瘤と言います。

【瘤の破裂】

初期の段階でまだ瘤が小さいときは、定期的に診察を受け、必要に応じて動脈瘤の拡大を抑える治療を受けます。

瘤が更に大きくなり続けると、やがて大動脈瘤は破裂し、体内で大出血が起こって死に至る危険性が非常に高まります。症例、部位にもよりますが、致死率90%は下らないと思います。

従って、医師から大動脈瘤の破裂の危険があるという診断を受けた場合は、速やかに手術あるいはカテーテル治療へ移行いたします。つまり、これを無視はできません。

【大動脈瘤治療への選択肢】

腹部大動脈瘤を治療する方法として、

開腹外科手術による人工血管置換術。
ステントグラフト内挿術(血管内治療術)。

の2つの方法が存在する。

 

【開腹外科手術による人工血管置換術】

従来から行われている治療方法です。

全麻(全身麻酔)のもとで胸部あるいは腹部をメスで切り開き、大動脈瘤の上下で血流を遮断したうえで、人工血管という布製のチューブに取り替えます。

但し、高齢者、心臓病、肺疾患、腎疾患等を併存する患者には下記ステントグラフト内挿術へ変更する事例が多いかと思います。

【ステントグラフト内挿術(血管内治療術)】

ステントグラフトとは、人工血管(グラフト)に針金状の金属を編んだ金網(ステント)を縫い合わせたものです。

ステントグラフト内挿術は、このステントグラフトをカテーテル(プラスチック製のチューブ)の中に納めて太ももの付け根から血管の中に入れていきます。

そして患部で広げて血管を補強するとともに動脈瘤の部分に血液が流れないようにする治療を言います。

但し、ステントグラフト内挿術を検討する際には、医師は患者の大動脈の詳細写真を撮影し、
大動脈瘤の形状がステントグラフトに適合しているかを慎重に検討します。

【大動脈瘤と動脈硬化の相関関係】

大動脈瘤の原因の多くは動脈硬化と言われています。

その危険因子と呼ばれている高血圧、高脂血症(脂質代謝異常)、喫煙、糖尿病などが瘤形成に関与していると言われています。

また、呼吸器系の障害は動脈瘤の拡大を早めることがよく知られています。

大動脈解離(かいり)、大動脈破裂(はれつ)等では、ほとんどの患者で高血圧がみられ、深い関係があると考えられます。

大動脈瘤の形成の兆候は、定期的な健康診断を元に、人間ドックにおける精密検査等でほぼ確実に確認できます。早期発見した場合には、早めに治療をすべきと考えます。

また、そのような診断が無くとも、中高年の領域に入ったら平素の食生活の全ての見直しを図り、特に見逃しがちな日常のご家庭で摂取している油脂類、調味料等の製品チェックは必須と考えます。

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