竹葉石膏湯と蘇子降気湯との用い方の違いについて。
いつも有難うございます。
本日は、実店舗、ネットと、ともに忙しく、いよいよ「年末だな・・。」という感のする日でした。
その中で、竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)と蘇子降気湯(そしこうきとう)がやはり予想通りよく売れました。
また、問合せも多く、この二つの処方の用い方の違いは?
とのご質問も会員様から多く寄せられましたので、あらためてご説明します。
【竹葉石膏湯(ちくようせっこうとう)の特徴】
●麦門冬湯の使い方に似ているが、より口の中などの乾燥感や炎症が強いものに。
●乾性の咳→ 竹葉石膏湯を用います。
・顔を真っ赤にして激しく咳込む
・痰の量は少なく、粘く切れにくい。
・喉が渇いたり、詰まったりなどの違和感
●竹葉石膏湯は体液を増やし気管支を潤して、炎症を鎮め、風邪の後にいつまでも残るしつこい咳を鎮める漢方処方です。
詳細は・・・

【蘇子降気湯(そしこうきとう)の特徴】
●呼吸困難を強く訴え、ノドが塞がりむせて、下半身が冷えるものに。
●咳よりも呼吸困難が主で、中高年の皆さまに多く用いられます。
●平素は一見して元気のある人でも、驚いたり、うろたえるようなことがあると、神経が興奮して上半身がのぼせ、下半身が冷える。(上実下虚の証)
「上実下虚の証」
仕事が過度に溜まり、ストレス過重になると、ちょうど「頭熱足寒の状態」になります。
喉がつかえる感じとなり、うつうつ、いらいら、頭痛、肩こりが頻発。
下半身は冷えて、仕事中もトイレに何度も行く・・・。
●処方そのものは、半夏厚朴湯の「そっくり」さん。方剤としては、気を降ろす降気剤です。ストレスに効果ありです。
詳細は・・・

こうして、二つの処方を並べて比較すると、「使いワケの方法論」の輪郭が
見えてきます。
二つの共通点はいずれも「弱者の漢方」と言えると思います。
・・・ということで、あらゆるシーンで、
竹葉石膏湯と蘇子降気湯とを使い分けてください。